主従関係お題１【いつでもどこでも】

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2025/07/03

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今日から初☆お題に挑戦してみました
お題というのは、出されたお題(テーマ)に沿って物語を書くというものなんですが、初挑戦です
かなりの短編になると思うので、ブログで書いてみることにしました
のんびり更新しますので、よろしくお付き合いくださいませ

最初のお題は『主従関係』で参ります
登場人物は当館『吟遊詩人の書』シリーズから、
主人公フェーバ
です

『続きを読む』からどうぞ

少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです

お題提供：『創作者さんに５０未満のお題』(http://box.usamimi.info/)様

「ほんとにお前らって、べったりだよなぁ」
呆れたようにロージーが言うのを聞いて、僕は延佑様を仰ぎ見た。
延佑様がフライング・リーフ号に来てはや数日が経つ。
あっという間にシュトラスとも打ち解けて、まるで以前からの友人のようだ。
今朝は、珍しく延佑様が朝ご飯を作ると言うので、僕がその手伝いをしていたのだが、ロージーにはそれがおかしく思えたらしい。
それもそうだ。
以前はどうであれ、今は僕はこの船のキャプテン、延佑様は勝手におしかけてきた客人だ。
客人をもてなすのは礼儀だが、なにもここまで世話を焼かなくてもいいと思う。
思う、のだが。
「別に俺がこいつを呼んだわけじゃないぜ？こいつが勝手に俺についてくるんだ」
延佑様が魚を捌く手を休めて言う。
反論のしようも無い。
頭ではわかっていても、長年の習慣でついつい彼について回って面倒を見てしまうのだ。
食事をするときはもちろん一緒だし、寝るときも、特に何もすることが無いときでも一緒にいる。
ともかく彼の一挙一動が気になって仕方がない。
今だって延佑様が包丁で手を切ってしまわないか、ハラハラしている。
ただでさえ魚を捌くなんて苦手なくせに、今朝はどうしても白身魚のカルパッチョが食べたいと聞かなかったのだ。
いつでもどこでも一緒で、だけど、こうしていると、まるで『母親』のようだと、僕はこっそり溜め息をついた。

2010/06/28 創作物 Trackback() Comment(0)