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その鳥は、片翼を失った。
飛べるのが当たり前だと思っていた日常は崩れ、
人間達を眼下に見下ろすプライドは砕けた。
ある時、両翼の鳥が言った。
「諦めちゃダメだ!君も飛べるさ!」
片翼の鳥は、彼の両翼を見て、わらった。
「本当かい?本当に、飛べると思うかい?」
両翼の鳥は、くるりと宙を舞うと、歌うように言った。
「もちろんだよ!さぁ、一緒に飛ぼう!」
片翼の鳥は、またわらって、
ビルの屋上から、身を投げた。
地面へと真っ逆さまに落ちていく時、片翼の鳥は、両翼の鳥が空を飛びながら、こちらを見て青ざめているのを見て、またわらった。
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*作者つぶやき*
実家で眠れないときに、ふと思いついた詩。
あれですね。
お気楽な励ましの言葉は、時と場合を考えましょう。
てな感じ。
特定の人物に個人的に何か言いたいことがあるわけではないので、あしからず(笑)
「飛葉はさぁ、まだ俺のこと『様』付きで呼ぶの?」
不意に問われて、僕は戸惑う。
延佑様は甲板の手すりに頬杖をついて、僕を仰ぎ見た。
「いいんだぜ?もう呼び捨てにしたって。敬語もやめにしてさ」
言われて僕は少し困った。
確かに自分たちは主従関係を解消して、もう数年になる。
今や対等な立場なのに、まだ『様』付けなのは、おかしいことなのかもしれない。
けれど。
「小さい頃から『延佑様』とお呼びしてるのに、今更変えろと言われても・・・」
もうずっと、長い間彼に仕えてきたのだ。呼び捨てにするのは、違和感というよりも抵抗の方が強かった。
ふうん、と呟いて延佑様は海に目を向けるが、再びこちらを振り向いた。
「じゃあ、いっそのこと『ご主人様』って言ってみるとか?」
――突然議題が別方向へ飛んだ。
僕は小さく呻いて頭を抱える。
「どうしてそうなるんですか…」
対する彼は酷く楽しそうに笑っている。
「だって、俺に対する敬語がやめらんないっていうんなら、呼び方変えてみたらどうかなぁと思ってさ」
「だからって、どうして『ご主人様』なんですか」
「ちょっと可愛くメイドっぽく?」
僕は一気に脱力した。
側で一連のやり取りを見ていたロージーが呆れ顔で言う。
「おめーらは、呼び方一つでよくもまぁ盛り上がれるもんだな」
それを聞いた延佑様が片眉を上げて言う。
「だって重要だろ?呼び方って」
たった一言で、相手のことを端的に表すから。
珍しく少し真面目な彼に小さく笑って、僕は言う。
「どんな呼び方をしても、僕にとって延佑様はずっと、大切な『ご主人様』ですよ」
今日は満月だなぁ、と呟くと、
隣から、珍しく情緒的ですね、と茶化される。
なんだよ、と拗ねながら、
丸い月を見上げて一つ溜息。
いつもだったら、
傍らにいるのは口喧しい幼馴染なんかじゃなくて、
こんな月の夜が似合う綺麗なひとで。
そっと肩に寄り添って、
同じように空を見上げて、
綺麗ですね、と囁いてくれる。
そんなところが愛おしくてたまらなくて、
月明かりに照らされた横顔にひとつ、口づけを落とす。
少し照れて、恥ずかしそうに微笑む、その幸せな時間が、
今はただただ、遠い。
会いたいなぁ、と呟くと、
傍らの幼馴染が笑って言う。
きっとあの方も、同じ月を見ていますよ。
目を閉じて、あなたを思う。
あなたの、綺麗で、力強い手の感触を。
あなたに、そっと、髪を撫でられる感触を。
ぎゅっと、抱き締められる温もりを。
優しく切ない、キスの甘さを。
遠く離れた、あなたを想う。
たとえどんなに離れていても、
あなたを思う、この時間は、
私にとっての幸せで。
このさみしさも、
あなたの声を聞いただけで締め付けられる胸の痛みも、
あなたに会えた時には、
全部吹き飛んでしまうから。
目を閉じて、あなたを思う。
今度会える時を、心から待ち望みながら。
今日から初☆お題に挑戦してみました
お題というのは、出されたお題(テーマ)に沿って物語を書くというものなんですが、初挑戦です
かなりの短編になると思うので、ブログで書いてみることにしました
のんびり更新しますので、よろしくお付き合いくださいませ
最初のお題は『主従関係』で参ります
登場人物は当館『吟遊詩人の書』シリーズから、
主人公フェーバ
です『続きを読む』からどうぞ
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです
お題提供:『創作者さんに50未満のお題』(http://box.usamimi.info/)様
世界を垣間見るならば
空を仰ぎ
大地を眺め
その果てに思いを馳せ
目を閉じて
風を感じ
光を感じ
空気の柔らかさに触れ
光の暖かさに触れ
そっと、深呼吸
肺の中に生命の息吹きを吸い込み
生命の息吹きを感じ
目を開けて
見えたのは
この大きな世界のほんの小さな
自分の生きる世界
世界は垣間見えたか
愛しくて、
愛しくて。
自分のために泣くことはなくても
誰かのために泣くことは多くて。
それが只の自己満足に過ぎないことはわかっていても溢れる思いはとまらなくて。
それでもいいんだと君は笑うんだ。
僕は不器用だから、
こんな生き方しかできないんだ。
ココロが締め付けられるこの気持ちを、
どんな言葉にも態度にもあらわせない。
この思いをどうにかして。
この溢れ出す感情を。
愛しくてたまらない。
それが何かはわからないというのに。
世界は美しくて気まぐれで、
だからこそ僕は呑み込まれるんだ。
せかいの中のぼく一人
ぺろりと呑み込んで
現実という名のそいつは何もなかったかのような顔をする。
僕はもう世界の一部だ。
そこにはもう『僕』はいない。
堕ちるなら、せめて君の手で。
遠く。
その手を眺めながら貶められよう。
遠く。
ヒカリが無い場所へ、ただひたすら。
そして葬られるココロ。
快感に溺れる。
ふと手を休めてみる。
僕が止まっても、世界は相変わらずせわしない。
今、僕の知らないところで、何かが起こっているかもしれない。
それは僕に関係ないことかもしれないし、関係あることかもしれない。
たとえば今この電話が鳴って、大切な人の死を知らされるかもしれないし、
たとえばどこかの国で、小さな子供が戦火に巻き込まれて死んでいるのかもしれない。
僕は無力なんだ。
僕は無力なんだ。
この手では何も守れないし、変えることはできない。
流れ続ける世の中に、僕は流されるままに生きている。
それでもよいのだろうかと尋ねても、
答えを返してくれる人は誰もいないから、
また僕は手を動かす。
今の僕にできることは、ただそれだけだ。
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